あなたにでてきたすべての気持ちや反応は、被害にあった多くの人におこる自然な反応です。
あなたはひとりではありません。どうしたらいいのか一緒に考えます。

- 被害後まもない方へ
- まずは、安全な場所へ移動しましょう。
そして、できるだけ早く医療機関へ行き、妊娠や性感染症、けがなどの診察を受けることが大切です。
被害後72時間以内であれば緊急避妊薬を処方してもらえ、望まない妊娠を防ぐことができます。72時間をすぎても、まずはご相談ください。
痛み、悲しさ、怒り、ふるえ、ふいに涙が出る、眠れない、食べられないなどのさまざまな反応は、誰にでもおこりうることです。どこに相談したらいいか分からない時、お電話ください。私たちはあなたの大切なからだと心のケアについて一緒に考えます。 - 被害後しばらくたった方へ
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被害にあって、何か月も、何年もたったのに、心もからだも調子が元に戻らないということはありませんか?
時間がたってもつらさが消えず、眠れない、食べられないなど落ち着かないこともあります。被害後しばらくたってから、からだと心に症状が出てくることもあります。学校や職場へ行けない、お金の心配など新たな問題も出てくる場合もあります。これらは少しもおかしいことではありません。あなたが弱いわけでもありません。回復には時間がかかり、回復のペースも一人一人違います。あなたのからだと心の回復に向けて一緒に考えていきませんか? - 被害(ひがい)にあったこどもたちへ
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イヤなのにからだをさわられたり、だきつかれたり
ズボンをおろされたりしたことはありませんか?
からだとこころが、いつもとちがうなと思っていませんか?
あなたのからだはあなたのものです。
イヤなことは「イヤだ」といっていいんです。
イヤなことがおきたばしょからにげていいんです。
あなたのからだとこころがしんぱいです。
はなせるところから、ゆっくりはなしてみませんか。
あなたはひとりじゃありません。 - 被害にあった男性の方へ
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男性・男の子も性暴力にあうことがあります。
相手がどんな性別であってもあなたが望まない性的な行為はすべて性暴力です。性暴力被害にあうとからだも心も傷つきます。
勃起や射精は同意したということではありません。からだの反応であり、気持ちとは無関係です。
ひとりでつらさを抱えていませんか。あなたの気持ちや要望を病院や警察などに伝えるお手伝いをしたり、付き添うことができます。相談内容について秘密は守ります。安心してお電話ください。 - 被害にあったLGBTQの方へ
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あなたが望まない性的な行為はすべて性暴力です。
あなたが誰を好きになる、ならないとか、自分の性別をどう自認しているかということは関係ありません。相手が同性であっても異性であっても性暴力です。
性感染症に感染するリスクの少ないセックス(セーファーセックス)に応じてくれないのも性暴力です。
待合室、トイレ、更衣室、治療や検査の方法、付き添ってほしい人(同性のパートナーなど)などについての要望を医療機関や警察などに伝えるお手伝いをしたり、付き添うこともできます。私たちはあなたの回復のためにどうしたらいいか一緒に考えます。 - 被害にあった方のそばにいる方へ
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大切な人が性暴力被害にあってしまった、「どうしたらいいんだろう」「 どう接したらいいのかわからない」「心配でたまらない」「加害者が許せない」「どうしてこんなことに…」
性暴力は被害にあった方だけでなく、身近な人も傷つき、大きな影響を受けます。被害を打ち明けられたり、相談を受けたあなたが悩み続けないためにもご相談ください。
被害にあわれた方の回復のために私たちも一緒に考えます。そばにいるあなたにできること
- 話をていねいに聞く
※事実をそのまま受け止める、気持ちをわかりたいと思って聞く。
※なるべく感情的にならないよう気をつける。
※子どもの性暴力被害の場合、子どもが自分から話さなければ、それ以上根ほり葉ほり聞かない。 - 相手にとって、今の安心・安全を確認する
- 「話してくれてありがとう。あなたは悪くない。」と伝える
- 本人の意思を尊重する「いつでも、いつまでも決めるのは本人」
- 信頼できる人に相談することをすすめる
- 相談機関(クローバーとっとりなど)の情報提供、相談につきそう
- 話をていねいに聞く
レイプ神話
社会の中にある、“性暴力”についての誤った思い込みや偏見のことです。
性や性暴力のことを正しく学ぶ機会がないため、私たちの中に無意識のうちにレイプ神話が刷り込まれています。周囲の人がこうした偏見に基づく発言をすることで、被害にあった方が「自分が悪かった」と思い込み、つらい思いをすることにつながります。
レイプ神話の例
- 女性は男性からちょっと強引なくらいに誘われるのを待っている。
- 女性の「イヤ」は「好き」のうち。
- 襲われるのは、たいてい暗い夜道で見知らない人から。
- 被害者は、ハデで露出の多い服装をしている。
- 加害者の性欲が強すぎてコントロールできないから起こる。
- 被害者は本気で抵抗すれば逃げることができる。
これらはすべて間違った思い込みです
二次被害
性暴力被害にあった方は、周囲の人たちから「レイプ神話」を押し付けるような発言や、中傷や興味本位の質問のほか、「早く元気になって」「早く忘れたほうがいい」等の心情にそぐわない言葉で傷つけられることがあります。このように、被害にあった方が、被害後に再び傷つけられることを二次被害と呼びます。 被害にあった方の多くは、二次被害で苦しんでいます。
二次被害となる言動
- 自分の動揺をそのまま相手にぶつけてしまう。
⇒「どうしてこんなことに」「あなたが悪かったんじゃないの」 - 無意識に被害者を責める
⇒「なんで逃げなかったの」「どうして早く言わないの」 - 信じられない⇒「あの人が(加害者)そんなことするはずない」
- なかったことにしたい⇒「早く忘れなさい。」
- 被害を小さくとらえる⇒「大げさだ、よくあること」
- 支えなければいけない
⇒「警察に届けるべき」「私がなんとかしてあげる」 - 励まし⇒「大丈夫」「がんばれ」「いつまで落ち込んでるの」「かわいそうに」
- 何もしてあげられないと思う(無力感)